「飼育しているカタツムリが卵を産んだけど、卵ってどうやって育てたらいいの?」
カタツムリを飼っている多くの方が経験するであろう、カタツムリの産卵。その産卵によって排出された卵は一体どのように管理すればいいのか分からないと言う人も少なくないのではないでしょうか?
こちらでは、そんなカタツムリの卵の正しい育て方や、育てる上で注意すべきことを紹介しています。正しい卵の飼い方を理解して、元気な赤ちゃんを孵化させてあげましょう!
孵化した後のカタツムリの育て方はこちらで詳しく紹介しています。
カタツムリの卵の育て方は?
カタツムリは春から夏の5月~8月にかけて産卵の時期を迎えます。産卵された卵はとてもデリケートですが、育て方はそれほど難しいものではありませんので安心してください。
こちらの記事を読んでくれている方の多くは、既にカタツムリから卵が産卵されていることと思います。その際、まず最初に行っていただきたいのが親のカタツムリと卵を別々の飼育ケースに分けることです。
産んだばかりの卵と離れ離れにするのは可愛そうですが、カタツムリの卵はとてもデリケートで、場合によっては親カタツムリの移動によって卵が潰れてしまうことも少なくありません。特に、砂利でカタツムリを飼育している方は割れる可能性が高いので早めに別の場所に移してあげましょう。
カタツムリを砂利や土を使って飼育している場合には、それらの中に潜って産み付けていることが多く、キッチンペーパーで飼育している場合にはその上に卵を産んでいるはずです。卵は画像のように白色で、大きさは2mm~3mm程度です。
カタツムリの種類や個体にもより産む卵の数にはかなり幅があり、時には2~3個しか産まなかった。と言うことも珍しくありません。ですが、一般的には30個~40個の数を産むことが多くなっています。
卵はとてもデリケートなので、可能であれば卵ではなく親のカタツムリを別の飼育ケースに移動させてあげると良いでしょう。キッチンペーパーの場合には卵の移動も容易ですが、砂利や土の中に産み付けられた卵だと、掘っている最中に誤って潰してしまう可能性も考えられます。
また、親のカタツムリを移動させた後の卵には不必要に触れず、周りの不要な物も取り除いておきます。(親カタツムリの餌や枝など)外的な要因でどこから危険が来るか分かりませんので、こうして少しでも卵が潰れにくい環境を作ってあげるといいでしょう。
後は、普段カタツムリを育てているときと同じように、定期的に霧吹きをかけてあげてください。卵も乾燥には弱いため、霧吹きは必ず必要です。逆に、霧吹きさえ行っておけば、後は基本的に手のかかることをする必要はありません。
産卵から10日~1ヶ月ほどすれば赤ちゃんカタツムリが孵化するはずですので、産まれてくるのを楽しみに待ちましょう。
※孵化した赤ちゃんカタツムリはとても小さいため、飼育ケースによっては空気口から簡単に逃げて行ってしまいます。いつ孵化するか分からないため、通り道となりそうなところがある場合には穴をあけたラップなどで塞いでおきましょう。
【卵の育て方】
- 親と卵を別々の飼育ケースに移す(可能であれば親を別の飼育ケースへ)
- 卵を潰してしまう可能性のある物をなくす
- 定期的に霧吹きを行い、湿度を保つ
カタツムリの卵が孵化しない!カビや乾燥が原因?
孵化にかかる期間は20日~30日が一般的ですが、早いものだと2週間前後で産まれてくることもあります。逆にいつまで待っても産まれてこない場合には、その卵からはカタツムリの赤ちゃんが孵化しない可能性も考えられます。
孵化しないのは乾燥が原因?
先にもお伝えした通り、カタツムリの卵は親のカタツムリと同様に湿った環境にしておく必要があります。風通しが良すぎるところや直射日光に当たる場所に置いていませんか?
少しでも乾燥させた可能性が考えられる場合には、残念ですが孵化する前に死んでしまっているかもしれません。ですが、中身を確認するわけにもいきませんので、とりあえずはこれまで以上に乾燥に気を付け、もうしばらく様子を見てみましょう。
孵化しないのはカビが原因?
湿度を高めに保つ必要があるため、卵には少なからずカビが発生してしまいます。中には、びっしりとカビが繁殖してしまった卵もあるかもしれませんが、卵も呼吸をして成長しますので、あまりに多くのカビが生えると呼吸が出来ずに孵化前に死んでしまいます。
ですが、個人的な経験ではカビの有無は孵化にそれほど関係ないように感じています。カビだらけの卵から孵化した経験はこれまでも何度もありますし、逆にカビが生えていない卵が必ず孵化するとも限らないからです。
とは言っても、有るか無いかで言えば無い方が良いので、一応カビの対策方法をご紹介しておきます。卵に短い毛のような物が付いたと感じたら、それはカビですのでどんどん繁殖する前にこの対策を行っても良いかもしれません。
【卵に生えるカビ対策】
- ヤシガラ活性炭を敷き詰める
- 敷き詰めたヤシガラ活性炭を霧吹きで湿らす
- 卵を傷付けないようにヤシガラ活性炭の上に移動する(キッチンペーパー上に卵がある場合は、ヤシガラ活性炭の上にキッチンペーパーごと置いて問題ありません)
※卵が傷つく可能性があるため、上からヤシガラ活性炭で覆う必要はありません。
カタツムリの卵が無精卵かも?雌雄同体とは?
「乾燥にも気を付けたし、念のためにカビ対策もしている。卵も潰れていない。なのに卵が孵化しない!」
このように頭を悩ませている方もいるかもしれませんが、そもそもその卵は無精卵で絶対に孵化しない卵と言うことも考えられます。
どういうことかと言うと、カタツムリは雌雄同体(しゆうどうたい)と言ってオスメスの性別がありません。ですので、どの個体のカタツムリであっても2匹揃えば交尾をすることが可能です。
ですが、カタツムリの場合、卵を産むために交尾は必ずしも必要な行為ではなく、交尾を経ずとも、一匹のみで卵を産むことも可能です。
交尾を行なわず一匹で産んだ卵は無精卵と言って、精子を取り込んでいないことが原因で孵化しないように出来ています。スーパーで売っている鶏の卵(無精卵)をどれだけ温めても孵らないように、カタツムリの卵が無精卵の場合には、どれだけ適切な環境で育てても孵化しません。
逆に、交尾を経て産卵された卵を有精卵と言いますが、有精卵でなければ絶対に卵は孵化しません。そして、無精卵、有精卵を見分けることはできないため親のカタツムリを育てていた環境で判断するしかありません。
一匹のカタツムリで長く育てていた場合には、無精卵の孵化しない卵と見て間違いないでしょう。一方、二匹以上で育てていた場合や、外で捕まえたカタツムリの場合は有精卵の卵の可能性が高いと言えます。
カタツムリの卵の育て方 まとめ
いかがだったでしょうか?カタツムリの卵を孵化させるには、それほど難しいスキルや知識が必要ないことがご理解いただけたと思います。
適切な環境で育て、毎日卵を観察していれば、僅かな変化にも気付くことが出来ると思います。特に、孵化が近付いてくると、卵の中で赤ちゃんカタツムリが動いている様子も観察できるので、飼育ケースの前から離れられなくなることでしょう。
ちなみに、そんなカタツムリの卵も、海外では食用キャビアとして殻ごと食べるそうなので驚きですよね。価格は30gで5,000円程度なのだとか。なんとも可愛そうな話です。ナメクジだと駆除もできて一石二鳥なのに・・・。
あと、ペットとして飼っているカタツムリがアフリカマイマイと言う種類の場合には、寄生虫に充分に注意してください。最悪の場合、死んでしまう可能性もあるので別の種類のカタツムリに変更されることをオススメします。
この他にもカタツムリの飼育に役立つ内容を紹介していますので、良ければ併せて参考にしてください。
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