「カタツムリを見付けて飼いだしたけど、飼い方が分からない!上手に育てるにはどうすればいい?」
春から夏、秋にかけて、色々な場所でカタツムリに遭遇する機会があると思います。その可愛らしい姿形に魅了され、ペットとして飼い始める人も少なくありません。しかし、その生態はあまり知られておらず、育て方が分からないと言う人も居ることでしょう。
こちらでは、そんなカタツムリの飼育に必要不可欠な土や餌選び、飼育環境や冬眠、寿命ついて紹介しています。カタツムリの好む環境を作って、元気に育ててあげましょう!
カタツムリの飼い方 土はどんなものを選べばいい?
カタツムリを飼う上で、土はとっても大事な役目を果たします。普段の生活の中では水分を含むことで湿度を保ったり、産卵時期には卵を産み付ける場所、冬には冬越しの場所にもなります。
だからと言って特別な土を用意する必要はなく、カブトムシ飼育用の土やカタツムリを見付けた周辺の土で問題ありません。自然の土を使う場合にはビニールシートに土を薄く敷き、日光をしばらくあてて消毒すると良いでしょう。
また、カタツムリが糞をした際などは周辺の土ごと捨てるので、土は少し多めに準備しておいたほうがいいです。そうなると自然からの採取は手間が掛るので、市販品の土を使ったほうが楽ですね。
夏場になるとダイソーやセリアなどの100均でも昆虫用の土(昆虫マット)が販売されますので、1袋ほど多めに買い溜めしておきましょう。
ちなみに、土の代わりに砂利や湿らせたキッチンペーパーでも代用は可能です。見た目的にキッチンペーパーは良くありませんが、汚れたら取り替えるだけなので掃除が非常に楽ちんです。
一方、砂利は掃除の度に砂利を水洗いして日光消毒する手間はあるものの、見た目が非常に綺麗になりカタツムリ単体の観察ではなく、飼育ケース全体で楽しむことができます。アクアリウムのようなイメージですね。
でもまぁこれは人間のエゴなので、本当なら自然環境に近い形で土を使うのが一番良いと思います。
カタツムリの飼育 餌はどんな物を食べる?
カタツムリは本当に色々なものを食べてくれますので、餌の調達に困ると言うことはないでしょう。基本的な食事は野菜を中心に与えつつ、卵の殻や貝殻などでカルシウム分も忘れずに摂取させてあげるようにします。
野菜はなんでも食べますので、その日の夕飯のメニューに使ったものを与えても良いでしょう。ただ、火は通さずに必ず生のままあげてくださいね。キャベツや人参、かぼちゃ、さつまいも、キュウリなど本当に色々な物を食べてくれます。
また、カルシウム分となる卵の殻や貝殻も忘れずに与えましょう。そこで摂取した栄養分でカタツムリ自身の殻を大きくします。殻を与えなければ仲間の殻を食べてしまい、共食い状態になる可能性があるので注意してください。
「自然界で殻なんて食べられないんじゃないの?」と疑問に思った方、仰る通りです。カタツムリは移動の速さも遅く、鳥などの卵を食べるわけにも行かないので、自然界で殻にありつくのは中々困難です。(たまに仲間の死骸の殻を見付けることもありますが・・・)
そういった場合どうしているのかと言うと、家のブロック塀やコンクリートの破片を食べています。あんなに硬いものまで食べるなんて驚きですよね。コンクリートを食べているところを見てみたい方は、飼育ケースにコンクリートの欠片を入れて観察してみましょう。
ちなみに、コンクリートに限らず、カタツムリはあまりむしゃむしゃと餌を食べません。餌の上を移動しながら、歯舌と呼ばれる突起で餌を削り取り体内に取り込みます。ですので、餌の上を這っていたら、それは食べているということですので注意深く観察してみましょう。
カタツムリの食べる餌や、餌を食べてくれない時の対処法などは、こちらで詳しく紹介しています。併せて参考にしてください。
カタツムリの飼育環境で注意すべきことは?
カタツムリの飼育に最低限必要な物は、これまでに紹介した「土」と「餌」です。この二つがあれば、とりあえず飼育は可能な状態です。この他にも、止まり木となる枝や、隠れ蓑となる落ち葉などを入れてもいいですがそのあたりはお任せします。
それらのカタツムリの遊び場を作ることも大切ですが、まずはカタツムリに適した飼育環境を覚えておくといいでしょう。誤った環境で飼育すれば、カタツムリは簡単に死んでしまうデリケートな生き物です。
ここからは、飼育環境に必要なこと、注意することを併せて見ていきましょう。
カタツムリの飼育環境1 巣箱の選び方
巣箱とは飼育ケースのことですが、これは好きなものを選んでいただいて問題ありません。ガラスやプラスチック、瓶など自分に合った耐水性の物を準備しましょう。
蓋に関しては、密閉する派と密閉しない派に分かれますが、私は『密閉しない派』です。「密閉したほうが保湿できて良い」と言う意見もありますが、全く風通しができない状態だと菌の温床になりそうで不安です。その分きちんと霧吹きを行えば問題ないと思っています。と言うか、実際に問題ありません。
選び方の注意点としては、観察の行いやすさと掃除の容易さを両立した物を選ぶと言うことです。例えば、タッパーでの飼育だと掃除は容易ですが、容器の透明性が低いため中の様子が観察しづらいです。逆に、大きな水槽であれば観察は容易ですが掃除が難しくなってしまいます。
カタツムリはキレイ好きなので、掃除は少なくとも週に1度は行いたいところ。観察の行いやすさだけでなく、掃除のことも頭に入れて巣箱を選んであげましょう。
カタツムリの飼育環境2 巣箱の置き場所
カタツムリの巣箱は直射日光の当たらない、風通しのいい日陰に置きます。たまに日光に当ててあげてもいいですが、あまり長時間になると湿り気が無くなって乾燥してしまうので注意しましょう。
また、巣箱が倒れたり落ちたりすると大変なので、小さな子供や赤ちゃん、ペットが居るご家庭の場合には、手の届かない安定した場所に置くようにしましょう。
カタツムリの飼育環境3 巣箱の温度
巣箱の温度にそれほど注意する必要はありません。もともと自然の中で生きていける生き物なので、外の温度と大きく乖離しない限りは問題ありません。ただ、家の中で飼育する場合、クーラーやエアコンの風邪が直接当たるところは避けてください。
また、クーラーやエアコンなどの冷暖房器具を点けたり消したりする場合には、お部屋の温度に高低差が生じるため、1日の温度が安定した別のお部屋で育ててあげるようにしましょう。
カタツムリの飼育環境4 適度な保湿
カタツムリは非常に乾燥に弱い生き物です。少しでも湿度が低くなれば、あっという間に弱ってしまいます。飼育ケースのサイズにもよりますが、1日に1度は霧吹きで湿度を保ってあげると良いでしょう。
この時、水滴の粒が飼育ケースの壁面に出来る程度に霧吹きしましょう。カタツムリは水を良く飲む生き物なので、こうすることで水の補給と保湿を同時に行うことができます。
逆に、いくら湿度が高いほうが良いからと言って、飼育ケースの底に水が溜まるほど霧吹きするのはやりすぎです。溺れて死んでしまう危険もあるため、霧吹きのやり過ぎには注意しましょう。
カタツムリの飼育環境5 掃除はこまめに
先にもお伝えした通り、カタツムリはキレイ好きです。できれば3日に1度は糞の掃除と食べ残しの掃除を行いたいです。また、カタツムリが這った壁面も濡らしたティッシュなどできちんと拭き取り、清潔な状態を保ってあげるようにしましょう。
この頻度で掃除が難しい場合には、餌の食べ残しの掃除は3日に1度、巣箱の掃除は週に1度は最低限行うように心掛けておきましょう。
カタツムリの飼い方 冬は冬眠する?時期や期間は?
冬にカタツムリの姿を見ないことからも推測できるように、11月~12月の冬になるとカタツムリは冬眠に入ります。1度冬眠に入ると再び温度が上昇するまで活動は再開しません。
当然その間はカタツムリは全く動かないため、観察は一切行えなくなってしまいます。自然界と同じ生活サイクルを送らせてあげたいということであればそれも良いですが、カタツムリは温度さえ保てば冬眠せずに冬越しすることも可能な生き物です。
カタツムリを冬眠させたくないときは?
20度前後の室温が保てない場合は冬眠に入ってしまいますので、この温度を保って上げる必要があります。常に温かいお部屋に巣箱を置くか、小動物用のヒーターで巣箱内の温度を20度以上に保つようにしましょう。
また、カタツムリは周りの温度が下がってきた秋頃にたくさんの餌を食べて冬眠に備える習性があるため、冬眠させたくない場合には冬より少し早い10月頃からヒーターを付けてあげると良いでしょう。
カタツムリを冬眠させるときは?
カタツムリを冬眠させたい場合は、土の上に落ち葉をおいてあげると良い隠れ蓑になります。そして、巣箱はヒーターなどの暖房器具を使わないお部屋か直射日光や雨の当たらない外に置きましょう。
カタツムリがしばらく顔を出さず、動かないと感じたら冬眠を始めた証拠です。一般的に冬眠に入る時期は11月~12月ですが、地域によっては10月から冬眠を始めることもあります。1度冬眠すると来年の3月ころまで活動は再開せず、土の中や落ち葉の下で眠っています。
この間餌やりは不要ですが、霧吹きはこれまでと同じように行ってあげましょう。また、巣箱の掃除も不要ですので、そっと静かな場所で活動を始めるのを待ってあげるようにしましょう。
カタツムリの寿命 年はどのくらい生きる?
カタツムリの種類や環境によって様々ですが、基本的には卵から産まれて2年~3年の寿命と言うことが一般的です。とても小さな生き物ですが、意外に長生きですよね。
大きな種類のカタツムリであればもっと長生きして、時には5年近く生きた事例もあるのだとか。
カタツムリを飼っていると、ナメクジと変わらないだとか変わり者だとか言われますが、飼い主にとっては犬や猫と同じように可愛い存在で、少しでも長生きしてほしいですよね。
私もカタツムリは何度も飼育した経験がありますが、赤ちゃんの頃から寿命で死んでしまうまで育てたことはありません。適切な環境で育ててあげれば5年と言う事例を超えることができるのかな?とか考えてしまいます。
余裕があれば、今年は途中で逃さずに最後まで成長を見届けようかと思います。また、追々こちらのブログでも紹介させていただきますね。
カタツムリの飼い方 まとめ
いかがだったでしょうか?カタツムリの飼育は、それほど難しくないと感じていただけたことと思います。子供さんの夏休みの自由研究にも使えそうですね。
中には掃除が面倒だと思った人も居るかもしれませんが、小さな瓶などで飼育すれば掃除もそんなに面倒ではありません。カタツムリを1度外に出してあげ、土を捨て、瓶を丸洗いすれば手っ取り早いです。(この時、カタツムリを無理に剥がしてはダメですよ!)
朝夕散歩に行く手間もありませんし、生き餌を与えてあげる必要もありません。変な音を出すこともないので、室内で飼うにはうってつけのペットだと思います。興味のある方はカタツムリの飼育を始めてみてはいかがでしょうか?
ちなみに、カタツムリには危険な寄生虫が居る種類があります。こちらで画像付きで紹介しているので、絶対に触らないように気を付けましょう。とっても大変な病気になってしまいます。
また当ブログでは、この他にもカタツムリに関する様々な内容を紹介しています。よければ併せて参考にしてください。
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