2月から3月はスギ花粉に悩まされ、4月以降はスギとヒノキ両方の花粉の影響でまともに外にも出られない。そして5月以降はイネ花粉がピーク。世界的に見ても緑が多い日本では関西や関東、東北などを問わず、様々な植物の花粉が1年中飛散しています。
花粉を見ただけで鼻水や目の痒み、くしゃみなどのアレルギー反応が出てしまう。と言う人も少なくないでしょう。今回は、そんな花粉症対策に効果的な食べ物を紹介します。
なるべく薬に頼らず、日々の食事で症状を改善させましょう。
花粉症の食べ物 対策にはレンコンやヨーグルト意外に何がある?
花粉症対策と言えばマスクやメガネ、薬などが真っ先に頭に浮かんでしまいがちですが、日々の食事の中で口にする食べ物でもある程度の対策は可能です。
中でも有名なのがレンコンやヨーグルトで、これらはテレビの健康番組でも花粉対策に有効として取り上げられることも少なくありません。ですが、冒頭でもお話した通り花粉は1年中飛散しており、人によっては季節ごとに違う種類の花粉症を抱えているという方も居るでしょう。
ヨーグルトならまだしも、レンコンがいくら花粉症対策に有効だと言われても、毎日食べ続けることは難しいですよね。それではレンコンやヨーグルトに加え、どんな食べ物が花粉対策に有効なのか見ていきましょう。
花粉症の食べ物対策1 レンコン
焼く、煮る、蒸すなど、様々な食べ方が出来るレンコンは花粉対策にも有効な食べ物で、ビタミンCが豊富に含まれているというイメージが強い方も多いのではないでしょうか。
ですが、実は花粉対策に有効な食材として有名となったのはビタミンCではなく、レンコンに含まれるポリフェノールに秘密があります。レンコンの表面にある黒ずみや斑点はお茶の成分で知られているカテキンですが、そのカテキンがポリフェノールの一種です。
そのポリフェノールには炎症を抑える効果があり、レンコンを約9週間食べ続けることでアレルギー症状を引き起こす抗体の血中濃度が下がることが確認されています。
また、レンコンにはポリフェノール以外にもタンニン(止血や炎症を抑える)やムチン(粘膜を正常に保つ)も含まれているので、総合的に花粉対策に適していると言えます。
しかし、効果は実証されているものの即効性は期待できません。これはあくまで一例ですので人によって違いはあるものの、花粉に耐えられないからと言ってレンコンを食べだしても効果が出るのは先の話になってしまうでしょう。
レンコンで対策を行いたいという方は自身がアレルギーを持っている花粉症の飛散時期を知り、事前に食べ始めましょう。各花粉の飛散時期についてはこちらで紹介しています。
花粉症の食べ物対策2 ヨーグルト
花粉症の原因のひとつに腸内環境の悪化が挙げられます。そのため、腸内バランスを整え免疫力をアップさせる発酵食品は花粉症対策に効果的です。
中でもヨーグルトは毎日の摂取が容易な上、乳酸菌の成分が豊富に含まれています。乳酸菌には善玉菌を増加させ、腸の粘膜を健康な状態に回復させる効果があります。
注意点として、砂糖の入れすぎに気を付けましょう。砂糖をたくさん入れすぎてしまうと免疫力の低下を防ぐためのビタミンBが減少してしまいます。甘味を足したい場合には砂糖ではなく、ハチミツで代用するようにしましょう。
また、ヨーグルトもレンコンと同じように即効性はありません。食べてすぐに腸内環境が整えられる訳ではありませんので、日々の生活の中でヨーグルトを身体に取り入れる機会を増やし、腸内環境を整えた状態を維持するよう心掛けましょう。
花粉症の食べ物対策3 バナナ
東京の理科大学の研究では、バナナをマウスに食べさせた実験で白血球の増殖が見られ、それによりアレルギー指数の好酸球数が抑えられたそうです。
また、バナナを8週間食べ続けた人は花粉症の症状のひとつである、くしゃみが暖和したとの報告も挙がっています。
レンコンやヨーグルト同じく即効性はありませんが、ヨーグルトと併せて毎日食事に組み込み、内側から花粉に強い身体作りを行うのも有効でしょう。
花粉症対策の食べ物4 納豆
納豆は皆さん知っての通り、大豆を納豆菌によって発酵させた食品で、大豆そのものが健康の良い成分をたくさん持っています。そんな理由から、毎朝納豆を食べるという人も多いのではないでしょうか。
そんな納豆菌には免疫細胞を活性化させる免疫活性化作用という効果があり、身体の免疫力をアップさせることで免疫機能のバランスを整え、花粉症の症状暖和が望めます。
スーパーやコンビニで手軽に手に入り、価格も非常に安価。更に栄養素も満点で花粉対策にも有効なお勧めの食品です。
花粉症の食べ物対策5 玉ねぎ
色々な料理に活躍してくれる玉ねぎには、ポリフェノールの一種のケセルチンが含まれています。ケセルチンには花粉症の炎症を暖和させる効果があり、特に玉ねぎの薄皮部分に多く含まれます。
玉ねぎは普段の料理からも口にすることが多い野菜で、価格もお手頃ですので花粉症の方は意識して採っていきたいですね。
玉ねぎの薄皮部分にケセルチンが豊富にあるので、薄皮を使った飲み物 玉ねぎ茶を作ってみるのもお勧めです。
花粉症の食べ物対策6 キクラゲ
中華料理に使われることが多いキクラゲには、ビタミンdが豊富に含まれています。ビタミンdには免疫調整ホルモンが含まれており、これにより花粉アレルギーを根本から改善することも可能と言われています。
ビタミンdを摂取することで免疫系を正常に働かせることが可能となり、結果的に花粉に強い体作りが可能となります。
とは言っても、キクラゲを頻繁に食べる機会はありませんよね。ビタミンdはキクラゲ以外にもカツオやイワシ、ニシン、サケやマスなどの魚類にも含まれているので花粉症の方は積極的摂取するよう心掛けましょう。
花粉症の食べ物対策7 甜茶
花粉症対策の飲み物では有名な甜茶にはポリフェノールが豊富に含まれており、炎症を抑える効果があります。
甜茶には一般的に4種類がありますが、中でも花粉症に効果的なのはバラ科の甜葉懸鈎子です。
【甜茶の種類】
- 甜葉懸鈎子
(バラ科)
- 臘蓮繍球
(ユキノシタ科)
- 多穂石柯葉
(ブナ科)
- 牛白藤
(アカネ科)
甜茶は1日に120mg程度飲むと効果的と言われています。甜茶の茶葉3グラムを1Lのお湯で煮出したものを1カップ飲めば充分でしょう。
花粉が飛散するピーク3月~5月の少し前の年末あたりから飲みだすと、身体も温まり花粉対策も出来るので一石二鳥です。
花粉症の食べ物対策8 フキ
フキの葉や花茎は古くから胃の不調や咳、虫刺されなどの症状を軽減するために使われてきた植物です。民間治療や漢方にも取り入れられているフキは栄養価も非常に高い食品で、花粉対策にはフキに含まれる抗酸化成分が効果を発揮します。
女性の方であれば抗酸化作用と言う効果を知っている人も多いと思いますが、フキを身体に取り入れることでその効果が得られます。抗酸化作用は肌にダメージを与える活性酸素の働きを抑えることで健康的な肌へと導いてくれる効果で、肌だけでなく身体も健康な状態へ導いてくれます。
アレルギー反応は体が弱っている時に過剰に起こってしまうため、栄養価が高く、抗酸化作用のあるフキを積極的に摂取することで花粉への反応を防止することができるでしょう。
花粉症対策の食べ物9 しそ
しそにはαリノレン酸と言う成分が含まれており、これを体内に取り込むとαリノレン酸がイコサペンタエン酸に変化します。このイコサペンタエン酸にアレルギー症状を暖和する働きがあるため、花粉症対策に有効です。
しそは栽培も比較的簡単ですので、花粉症をお持ちの方は家庭菜園に仲間入りさせ、毎朝採れたてのしそでしそジュースを楽しむのも良いですね。
ちなみに、しそには「赤しそ」と「青しそ」がありますが、花粉により効果的なのは赤しそです。ですが、どちらのしそも収穫時期は一般的に6月~8月と花粉がピークの時期とはズレがありますので注意が必要です。
イネやブタクサの花粉ピーク時期がしその旬ですので、それらの花粉症をお持ちの方にはお勧めしたい食材です。各種類の花粉の飛散時期についてはこちらで紹介しています。
花粉症対策の食べ物10 わさび
わさびは飛鳥時代から薬草として珍重され、抗菌や解毒の効果を持っています。わさびには独特の香りがありますが、その香り成分の中にメチルチオヘキシルイソチオシアネートというものがあり、鼻水やくしゃみを抑える効果があります。
ですが、わさびの食べ過ぎには注意が必要で、食べ過ぎると味覚が麻痺したり胃腸の粘膜を痛めてしまう可能性があります。どれだけたくさん食べても1日5グラム程度に抑えておいた方がいいでしょう。
花粉症の食べ物対策に即効性は期待できない
ここまで色々な食べ物や果物、飲み物を紹介してきましたが、いずれも即効性は期待できません。花粉症が発症する少し前から対策を行う必要があるので気を付けましょう。
どうしてもすぐに症状を改善させたい場合には薬に頼ると言うのもひとつの手段です。眠気や頭痛などの副作用はありますが、即効性のある効果が期待できます。
副作用をなるべく減らすために重要な注意点はコチラで紹介しています。
また、花粉症はひとつの対策だけでなく色々な対策を併せて行うと、より効果的です。食べ物を気にされる方は当然マスクを着用していることと思いますが、正しいマスクの付け方をご存知でしょうか?
マスクの表裏や向きなどによっては返って逆効果になることもあります。この機会に正しいマスクの付け方を知っておきましょう。
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