見ているだけでもとっても癒される苔(コケ)。中にはお庭で上手に栽培されている方もいますが、一般家庭でなかなか難しいですよね。
そこで今回は、モコモコとした可愛らしい苔を身近で栽培・観察できる「苔盆栽」を作ってみようと思います。以前はテラリウムに苔を取り入れた経験はありますが、苔盆栽というのは私自身も初めて作ります。果たして上手に作れるんでしょうか・・・。
苔盆栽の作り方!苔の入手場所は?
今回は野外で採集した苔を苔盆栽にしていこうと思います。苔を購入するためのコストは掛かりませんが、その分苔についたゴミや虫を取ったり仮根(かこん)についた不要な土を取る、カビが生えてる箇所をトリミングするなどの手間がかかります。
欲しい種類の苔が見付かるとも限りませんので、初心者の方であれば通販サイトやお近くのアクアリウム用品を扱うお店で買うのも良いかと思います。ちなみに、うちの地域ではホームセンターでも数種類の苔が販売されています。
「まだ育てたい苔が見付かっていない!」という方は、こちらでいくつかの種類の苔を紹介していますので参考にしてください。
日本には約1,800種類の苔が生息していますので、きっとお好みの形の苔が見付かるでしょう。こちらでは10種類程度しか紹介していませんので、図鑑などを購入してお好みのものを探すのも良いと思います。
それでは、苔の採取へ出掛けましょう!今回は自然に生息している苔を採るのでペーパーナイフを持っていきます。薄っぺらいものであればスコップや定規などでも代用できますが、採取の際苔を傷付けないように注意してください。
自然に生息している苔の中には色がくすんでいる苔もありますが、正しく世話をしていれば綺麗な緑色に戻ってくれます。苔の育て方については記事の一番最後にリンクを貼ってあるので参考にしてください。
家の近所を探し始めて約5分、すぐに苔が見つかりました。砂埃は被っていますが、色も鮮やかなとても元気なスナゴケです。育成も比較的容易なので、今回はこのスナゴケで苔盆栽を作っていこうと思います。
苔の探し方はそれほど難しくありません。苔はジメジメと湿った半日陰の環境を好みますので、地面と塀の境目などを注意深く見ていればすぐに見付かると思います。特に、午前中は日が辺り、日中から午後は日陰になるようなところを探すと見つかりやすいです。苔探しに夢中になりすぎて、私有地に勝手に入らないよう注意してくださいね。
あと、人の家の壁や石などに生息している苔が欲しくなった場合は、面倒ですが家主の方に了解を得ておきましょう。家の前でペーパーナイフを持った大人が何やら作業を行っていれば怪しまれること間違いなしです。
苔を接地面から剥がす際は苔の根を採ると言うより、土ごと採るイメージで採取してください。地面にペーパーナイフを押し当て、そのまま水平に動かして土ごと苔を採取することで、苔を痛める可能性が低くなります。
これで採取は完了です!この時、採る量がイマイチ分からなくなったりしますので、植え付ける鉢も持って行った方が良いです。私は念のため多めに採取しましたが、苔が余ってしまった際の使い道がないと言う方は捨てるのも可哀想なので、なるべくちょうど良い量を採取するようにしましょう。
採取した苔にはゴミやホコリ、虫などが付着している可能性があるので水で軽く洗ってあげます。裏側の土も仮根(根のことです)が出てくるくらいまで洗い流しましょう。あまり強く洗いすぎると苔がバラバラになるので注意が必要です。
また、茶色く色褪せた苔がある場合にはカビが発生している可能性があるので、念のためその周辺の苔と併せて取り除いたほうがいいです。
苔盆栽の土を準備する!
それでは、苔を植え付ける土を準備していきたいと思います。苔盆栽の土には赤玉土が一般的ですが、今回はアクアリウムで使い損ねていたソイルを使います。ソイルとは土を焼き固めて作った粒状の底材で、黒い物が多いです。(黒土を焼き固めているため)
本来はお魚を飼育する水槽の底材に使われることが一般的ですが、苔盆栽の土代わりに使っても問題ないでしょう。
ソイルには粒の大きさが異なるノーマルタイプとパウダータイプの2種類がありますが、今回は粒の大きいノーマルタイプを使っています。
ソイルとは別に軽石とケト土も用意しておきましょう。軽石は鉢の一番下に敷き、水はけをよくするために使用します。軽石を敷くことで、水をあげすぎてしまった場合でも底床が水浸しにならないようにするためのものです。
ケト土は苔の仮根にくっつけることで、苔の土台となる部分です。鉢の上から苔、ケト土、ソイル、軽石と言う順番になります。
ケト土と軽石は事前に下準備が必要となりますので、先に済ませておきましょう。軽石は水で軽く洗い流します。流通工程で石同士が擦れて、削れた粉がたくさんついています。ガラス瓶や水槽などでテラリウムをされる方であれば、この一番下の層も見える部分ですのできちんと洗っておきましょう。
ちなみに、ソイルを洗う必要はありません。と言うより、洗ってはいけません。人間の力でソイルを洗ってしまうと簡単に粒が潰れてしまいます。ここで洗うのは軽石だけですので、お間違いのないよう、ご注意ください。
ケト土は適量を手に取って、水を含ませこねておきます。「少し柔らかすぎたかな?」と感じる程度に水を足しておくと後で作業がし易いです。かなり手が汚れますので要らないタオルなども併せて用意しておくと良いと思います。
これで準備は完了です。それではいよいよ苔盆栽を作っていきましょう!
苔盆栽を鉢に作る!
まず最初に鉢へ軽石を敷いていきます。鉢の底に穴が開いているものを使用する場合には鉢底ネットも忘れずに敷きましょう。今回は穴はありませんので、そのまま軽石を敷いていきます。器の半分ほどまで入れれば良いでしょう。
次にソイルを敷いていきます。この時、ソイルの入れ過ぎには注意しましょう。(私も入れすぎました)この後、ケト土と苔の厚みがプラスされますので、鉢の深さを考慮して適度な量を入れてください。私のように袋から直接出すと入れすぎます(笑)横着せずに手で取って入れるほうが良いです。
そして、いよいよ苔を鉢に載せます。苔を裏返し、準備しておいたケト土を伸ばします。このケト土が苔の土台となりますので、ケト土と仮根が馴染むようにしっかりと押さえます。仮根は裏面だけでなく側面にもありますので、忘れずにケト土と馴染ませましょう。
先にもお伝えしましたが、「少し柔らかすぎたかな?」と言うくらいに練っておいた方が作業がし易いです。私は少し水が少なすぎたようで、完成後もソイルとあまり接着している感じがしません。
あとは鉢にお好みの形で植え付けるだけです。鉢以外にも流木や瓶などを鉢代わりに使っても面白いと思います。苔の飾りに石や草などを併せて植えてみても良いでしょう。私は先日剪定した南天と、アクアリウム用に買っていた石を使いました。(後から南天を使うことを思いついたので、土を入れるところからやり直したことは内緒です)
南天も苔と同じく半日陰で育つ植物ですので、育成条件としては相性が良いのではないでしょうか。今後機会があれば、今回作成した苔と南天の育成状況を報告したいと思います。出来上がりはこのようになりました。
初めてにしては良い出来じゃないかと自画自賛しております。ただ、少し石が大きすぎて窮屈そうに見えなくもないです。次回は流木や石なども使って、もう少し大きめのものを作ってみたいと思います。
今回作成した苔盆栽は和室のつくばいの横にでも、ちょこんと置いておきます。もっとクオリティの高いものを作れば、お部屋のインテリアとしても活躍してくれそうですね。
今回、苔盆栽を作るに当たって使用した道具はこちらです。
【苔盆栽作成の道具】
- ペーパーナイフ
- 軽石
- ソイル
- ケト土
- バケツ
- タオル
- 鉢
苔盆栽の育て方は?
苔盆栽の育て方はそれほど難しいものではなく、手間もほとんど必要ありません。1週間に1度、表面の葉が充分に濡れる程度に霧吹きを吹きかけてあげればいいでしょう。肥料も基本的には必要ありません。
私のように別の植物と一緒に育てる場合には、両方の植物が育つ環境に合わせて上げる必要があります。
詳しい育て方や育てる上での注意事項はこちらで紹介していますので、併せて参考にしてください。しばらく栽培していると苔が増えてくると思いますので、別の鉢に新たな苔盆栽を作っても良いですね!
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