「マダニに刺されちゃったんだけど、どんな症状が起こる?感染症の心配は?」
滅多に刺される機会は無いものの、知らない間にマダニに刺され変な病気や感染症にかからないか心配している人も居ることでしょう。
今回は、そんな人の血を吸う吸血ダニ「マダニ」に刺された際の症状や感染症と、その潜伏期間についてご紹介していこうと思います。
マダニに刺された症状は?人間が死ぬこともあるって本当?
私自身つい最近マダニに噛まれた経験があるので分かるのですが、ネットでマダニに噛まれた症状を調べているとよく分からない病名の感染症ばかり出てきますよね。
名前からはそれらが本当に危険な感染症か分かりませんが、実際に日本国内だけで毎年10人ほどの人間が死亡しています。
ここからは、そんなマダニに噛まれて引き起こされる感染症別の症状を見ていきましょう。ちなみにマダニは人間だけでなく、ペットの犬や猫にも病気を運ぶため注意が必要です。
マダニの感染症による症状1 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
『重症熱性血小板減少症候群』(通称:SFTS)と言うなんとも難しい病名ですが、マダニからの感染症で最も死亡率が高いのがこちらの感染症になります。
消化器症状や発熱などが主な症状ですが、その他にも神経症状や筋肉痛など様々な症状を引き起こすとっても危険な病気です。
- 嘔吐
- 吐き気
- めまい
- 下痢
- 腹痛
- 食欲低下
- 頭痛
- 筋肉痛
- 痙攣
- 昏睡
- 咳
マダニの感染症による症状2 ツツガムシ病
先に紹介した『SFTS』に次いで死亡の確率が高いのが『ツツガムシ病』で、高熱や発疹が主な症状となっています。
『日本紅斑熱』と一括して『ツツガムシ病』と呼ばれることもあり、治療が遅れれば遅れるほど症状が重症化しますので、早期治療が早期回復に繋がります。
- 高熱
- 発疹
- 炎症
マダニの感染症による症状3 ライム病
『ライム病』は死亡につながる可能性はほとんどありませんが、発熱や全身の倦怠感など、風邪やインフルエンザに似た症状を引き起こすので発見が遅くなりやすい感染症です。
時間が経って症状が悪化すると体全体に病原体が広がり、炎症性の充血によって皮膚に淡紅色の発疹が現れたり(紅斑)、視野異常や目の充血など非常に様々な症状が引き起こされるのが特徴です。
- 発熱
- 悪寒
- 頭痛
- 関節痛
- 筋肉痛
- 筋肉炎
- 倦怠感
- 紅斑
- 視野異常
- 充血
- めまい
- 心疾患
マダニの感染症による症状4 回帰熱
『回帰熱』による死亡の確率はほとんどなく、風邪に非常に似た症状となっているので風邪だと思ってそのまま治ってしまう人も少なくありません。
症状はほとんど風邪と同じものだと思っていただいて問題ありませんが、重症化してしまった場合には歯肉出血や下血などの出血症状が現れることもあります。
- 発熱
- 悪寒
- 頭痛
- めまい
- 筋肉痛
- 関節痛
- 倦怠感
- 歯肉出血
- 下血
- 皮下出血
マダニの感染症の潜伏期間は何日くらい?
ここまで4つの感染症とその症状をご紹介してきましたが、実はこれらの症状はマダニに噛まれた後スグに発症するものではありません。
いずれの感染症も潜伏期間があり、一定時間が経過して忘れた頃に症状が現れだします。
そのため、マダニに噛まれたことが原因だと気付かずに別の治療法を行い、症状が重症化してしまうことも決して珍しいことではありません。
感染症にもよりますが、噛まれてからおよそ3週間は先に紹介した症状が出ないか気をつけて体調チェックを行ったほうが良いでしょう。
- 重症熱性血小板減少症候群 (SFTS):6日~14日
- ツツガムシ病:10日~14日
- ライム病:7日~21日
- 回帰熱:12日~16日
事前に症状さえ把握しておけば体の異常にもすぐに気付くことができるはずですので、起こりうる症状はしっかり頭に入れておくことをオススメします。
症状が現れた後は出来るだけ早く信頼できる病院へ向かい、マダニに噛まれた日や現在の症状を詳しく伝えるようにしましょう。
マダニの感染症の治療方法は?
様々な怖い感染症があることが分かった上で、それらをどのように治療するのかも念の為知っておくと良いでしょう。
冒頭でもお伝えしたように私もつい先日マダニに刺されてしまったのですが、いざ当事者になると色々な感染症があって最悪死亡する可能性もあると言われると、色々な未来を想像してしまいますよね。
マダニに噛まれても感染症にかかる確率はそれほど高くはないものの、どのような治療になるのか知っておいても損はないと思います。
ちなみに、幸い私は潜伏期間も無事に終え、なんの症状も現れることなく現在も元気に過ごせています。ただ、精神衛生上は良くない期間でしたね。
さて、マダニの治療法ですが、マダニに噛まれた直後、もしくはマダニがまだ体から血を吸ってぶら下がっている状態で病院に向かった場合は、感染症を防ぐために噛まれた患部付近の皮膚を切除することになります。
と言うのも、マダニの口器(牙)が皮膚内に深く食い込み、これをキレイに取り除くことが困難なようで、体内に残った口器からの感染症を防ぐために皮膚ごと切除を行う必要があるようです。
ただ、これは病院によって処置の方法に違いがありますので、あくまで一例としてお考えください。実際に私も切除手術を覚悟で診断を受けましたが、キレイに口器が抜けていたこともあり塗り薬と飲み薬の処方で終わりました。
一方、既に刺されてから時間が経って感染症の症状が現れてしまっている場合には、抗生物質の内服や点滴治療となります。
もちろん、症状が重症化してしまっている場合には入院も必要となりますので、マダニに噛まれた際は早期に適切な病院へ向かうようにしましょう。(基本的には皮膚科)
マダニを予防するには?
マダニの感染症を予防するための適切なワクチンなどは現状存在しないため、マダニに刺されないように予防する必要があります。
私がマダニを連れて帰ったのは恐らく山へ入ったことが原因だと考えられますが、皆さんも草木の多い環境へ行く際は注意が必要です。(特に活動季節の春~夏~秋は要注意!)
主な生息地がそう言った草むらの多い環境ですので、そのような場所へ行く際には虫除けスプレーを活用したり、肌の露出が少ない服装で対策すると良いでしょう。
また、自宅内での繁殖やペットへの被害を防ぐためにも、自然の多い環境から帰ってきた際はスグにお風呂へ入浴し、着用していた衣服を洗濯することも大切です。
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