「カマキリって茶色と緑色がいるけど何か違いがあるのだろうか?種類が違う?それとも成長途中で色が変わる?はたまた育った環境で色が変わる?」
カマキリの身体の色について、疑問に思ったことがある方も少なくないのではないでしょうか。日本では主に緑色と茶色のカマキリを見掛けることがありますが、この記事ではそれぞれのカマキリの色の違いについて紹介していきたいと思います。
カマキリの色は種類によって違いがあるのか?
先に結論からお伝えすると、同じ種類のカマキリでも色が違うことが一般的です。例えば、日本に生息するカマキリの中で最大種のオオカマキリであれば緑色型と褐色型(茶色)の個体がおよそ5:5の割合で現れます。
しかし、オスメスで見ればオスはほとんどが褐色型です。オオカマキリのオスに緑色型が存在しない訳ではありませんが、滅多に見ることはないでしょう。
ですので、「このカマキリは緑色だからこれはハラビロカマキリ、こっちは茶色だからチョウセンカマキリ。」と言った区別は出来ないと言うことです。カマキリは基本的に身体の色以外の特徴で見分ける必要があり、詳しい見分け方はこちらで紹介しています。
但し、例外的な例としてヒナカマキリは茶色の個体しか存在しません。その理由は諸説ありますが、地面に生息しているので目立たない茶色の体色になっているのだとか。
理由はさておき、基本的に同じ種類のカマキリの中には緑色の個体と茶色の個体が存在する。と認識していただいて問題ありません。それでは、種類に違いがないのであればカマキリの身体の色はどの時点で決定するのでしょうか?
カマキリの色は変わる?成長途中で色の変化はあるのか?
カマキリの色が成長途中で変わると思われている方も多いようですが、そういう訳ではありません。何故なら、カマキリの身体の色は産まれたときから決まっているからです。
何故、同じ種類のカマキリでも個体によって色が違うのか、詳しい理由は解明されていないようですが、一説によると「少しでも多くの個体が残るための繁殖戦略」と言う考え方があるようです。
確かに、緑色の個体の卵からは緑色のカマキリしか産まれない。と言うことであれば緑の少ない環境で孵化し、そのまま成長してしまうとすぐに外敵に見付かり食べられてしまいますよね。
子孫繁栄のために色の異なった個体が産まれるのは納得できます。ですが、成長過程で環境に溶け込むために、周りの色に近くなるよう成長するとも言われています。さすがに茶色の個体が綺麗な緑色になることは考えにくいですが、多少の色の変化はある可能性が高いようです。
卵を自分で孵化させて、飼育するケージ毎に周りの色環境を変化させて育ててみるのも面白そうですね。このケージは濃い緑を基調、こっちのケージは薄い緑を基調。と言った具合に育てた場合、同じ緑色の個体でどんな違いが現れるのでしょうか?
子供さんが居る家庭であれば卵を事前に採ってきて4月~5月に孵化させ、夏休みの自由研究のテーマにするのもアリかもしれませんね。
卵から孵化させて育てたい場合には、その卵がなんの種類のカマキリの卵なのか知る必要があります。詳しい見分け方はこちらで紹介しています。良ければ併せて参考にしてください。
カマキリは居場所によって色が分かれている?
「産まれたときから色が決定していることは分かった。成長過程で色が大きく変わることがないことも分かった。それじゃあなんで、草むらには茶色のカマキリが少なく、緑色のカマキリがたくさんいるの?」
まだ、このような疑問が頭に残っている人が居るかもしれません。カマキリ探しを行ったことがある方であれば、緑が多い草むらには緑のカマキリ、木や落ち葉の多い環境では茶色のカマキリが多く見付かるのは経験済みかと思います。
茶色→緑色、緑色→茶色の変化がないにも関わらず、何故このような事が起こるのかと言うと、外敵からの捕食に原因があります。
やはり、環境に合った色の個体は鳥などの外敵から見付かりにくいため、必然的に環境と同色系の個体ばかりが生き残ります。当然、中には環境と異なった色の個体が生き残ることもありますが(草むらの中に茶色のカマキリなど)、環境と同じ色の個体に比べ、今後も外敵に見付かるリスクは高いと言えるでしょう。
つまり、草むらや原っぱなどの環境からは緑色のカマキリが多く見付かり、木や落ち葉の多い環境からは茶色のカマキリが多く見付かるのは、環境に溶け込んだ色の個体が多く生き残っているからです。
カマキリの色の違い 世界にはピンクや白などのカマキリが存在する?
日本ではカマキリを春から夏、秋にかけて見ることが出来ますが、基本的に緑色か茶色ということが一般的ですよね。稀に突然変異なのか何なのかは分かりませんが、とても美しい色をしたカマキリに出会えることもあるようです。
例えば、こちらのカマキリは日本の住宅街で見付かった個体ですが、まるで金属で出来たような光沢を放っていますよね。実物はもう少しくすんだ色のようですが、それでも非常に珍しいカマキリです。ちなみに、オオカマキリかチョウセンカマキリだと思われます。
まるでフォトショップで加工したように美しいですね。私も田舎に住んでおり、家の庭先でも色々なカマキリを見掛けます。中には同じように非常に光沢のある個体も居ますが、ここまで金属のような銀色のカマキリは見たことがありません。
カマキリ好きにはたまらない個体ですね。これは何かの突然変異の可能性が高いと言われていますが、世界中にはもともとの身体の色がピンクや白などの種類のカマキリが存在します。
例えば、こちらはヒメカマキリ科のPseudocreobotra属の一種ですが、とても鮮やかなピンク色をしています。
お花の上に乗っていても上手に擬態しそうですね。この他にも白や土色、先に紹介した日本で見付かった銀色のカマキリよりも光沢のあるカマキリなど、世界中には色々な種類のカマキリが存在します。
また、色だけではなく形も奇抜なものが多く存在し、見ているだけでも楽しいです。そんなカマキリ好きの私がピックアップした、皆さんにも是非見ていただきたい世界のカマキリはこちらで紹介しています!
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