昆虫の話をするときによく使われる「前翅」「後翅」「上翅」「下翅」と言う言葉。知っている人にとっては当たり前の言葉ですが、知らない人が目にすると読み方さえ分かりませんよね。
実は、それぞれ昆虫の羽を指す言葉ですが、どの言葉がどの部位に使われるのか、そしてどのように使い分けられているのかまで理解している人は少ないのではないでしょうか?
こちらでは、そんな昆虫の羽の種類について紹介していきたいと思います。
昆虫の体の名前にある前翅 後翅 上翅 下翅の読み方とは?
体のどの部分に当たるのかを説明する前に、それぞれの言葉の読み方を知っておきましょう。まず、どの言葉の後ろにもある「翅」と言う言葉、これは単体の漢字で「ハネ」と読みます。
一般的なハネといえば「羽」と書きますが、主に昆虫の話をするときには「翅」と書くことが多いです。その翅の中にこれから紹介していく前翅、後翅、上翅、下翅があります。
それぞれの言葉の読み方はこのようになっています。「翅」単体では「ハネ」と読みますが、ここでは「し」と読まれますのでお間違いのないようご注意ください。
【それぞれの翅の読み方】
- 前翅・・・ぜんし
- 後翅・・・こうし
- 上翅・・・じょうし
- 下翅・・・かし
それでは、それぞれの言葉による部位の違いを見ていきましょう。
昆虫の体の前翅 後翅 上翅 下翅とはどの部分?
昆虫の体は、その昆虫の種類によって様々な部位で形成されています。中には他の昆虫が持ち合わせていない部位を持っている昆虫も少なくありません。
例えば、カブトムシやクワガタであれば角があり、カマキリには鎌がある。と言うように、それぞれの昆虫に特徴があるのは周知のことでしょう。
しかし、いずれの昆虫も頭や胴、足があり翅があるのが一般的です。脚と一口に言っても前足なのか後ろ足なのか、と言ったようにそれぞれ部位が異なります。それと同じように翅にも複数の種類があるのです。
昆虫の体の名前 前翅、上翅とは
ここからは、てんとう虫の写真を使って説明していきたいと思います。前翅及び上翅とは昆虫に生えている4枚の翅の内の上側の翅のことです。てんとう虫では写真の青色で囲んでいる部分が前翅、上翅となります。
前翅や上翅の特徴として多くの虫が、後に紹介する後翅や下翅よりも丈夫にできていることが一般的です。子供向けの昆虫本では前翅や上翅を総称して「まえばね」と呼ぶこともあります。
昆虫の体の名前 後翅、下翅とは
後翅、下翅とは昆虫に生えている4枚の翅の内の内側の翅のことです。てんとう虫では写真の黄色で囲んでいる部分が後翅、下翅となります。
後翅や下翅の特徴として多くの虫が前翅や上翅よりも弱くなっていることが一般的で、厚みも薄く、後翅や下翅が透けている種類の虫が多いです。
子供向けの昆虫本では後翅や下翅を総称して「うしろばね」と呼ぶこともあります。
昆虫の体の名前の使い分け
ここからは、前翅と後翅、上翅と下翅の詳しい使い分け方を紹介していきます。基本的には昆虫の話をするさい、上側にある翅を「前翅」と読んでも「上翅」と読んでも相手には伝わるでしょう。
当然それは「後翅」「下翅」でも同じように相手に意味が伝わります。それでは、何故同一の部位に別々の名前が付いているのかと言うと、実際には使う昆虫が異なっているからです。
【体の名前の使い分け方】
- 上翅、下翅・・・甲虫類
- 前翅、後翅・・・甲虫類以外
話している昆虫に合わせてこのような使い分け方をすると、より相手に伝わりやすいと言えるでしょう。ちなみに、甲虫類(こうちゅうるい)とは甲虫目(こうちゅうもく)、鞘翅目(しょうしもく)などとも呼ばれ、カブトムシやクワガタ、カミキリムシ、ゲンゴロウなどが所属します。
甲虫類には非常に多様な昆虫が所属しますので、全て覚えるのは困難です。話している昆虫が甲虫類に所属するのか分からない場合は、より一般的に使われている「前翅」「後翅」を使うと良いでしょう。
昆虫の体の翅の役目
昆虫の体の翅は皆さん御存知の通り、飛翔のためにあります。中には自ら飛び立つことが難しい昆虫も少なくなく、高いところから降下することしかできない昆虫もいます。カマキリやゴキブリなどがその代表例です。
また、飛翔する以外にも、体が裏返ってしまった際に起き上がることを助ける。外敵の攻撃に遭った際威嚇に使う。など色々な用途があります。このように、昆虫にとって翅と言うものは手足と同様に体の大事な一部です。
中でも、カマキリは様々な種類が存在し、威嚇の際に翅を広げる種類も少なくありません。こちらで世界の珍しいカマキリを紹介していますので、昆虫好きの方は併せてご覧ください。
こちらでは、カマキリの一生についても紹介しています。草原の王者と呼ばれるカマキリの命の芽生えから死までの一生も見てみましょう。
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