「あれ?カブトムシが土の上でさなぎになってる!原因は?この後どうすればいい?」
カブトムシの幼虫を飼育している方であれば、今か今かと幼虫へ変態するのを楽しみにしている方も少なくないことでしょう。
通常は土の中で蛹へと蛹化(さなぎになること)するのですが、飼育環境によっては土の上で蛹化してしまうことも稀にあります。
今回はそんなカブトムシのさなぎが土の上でさなぎになってしまった原因と、6つの対処法をご紹介しようと思います。
そのまま放置では羽化不全になるかもしれませんので、きちんとした対処を行い、元気な成虫を羽化させてあげましょう!
カブトムシのさなぎが土の上に出る原因は?
通常、正しい飼育環境で育成していれば幼虫が土の上で蛹化することはありませんので、この機会に今一度飼育環境も見直した方が良いと思います。
蛹が土の上に出る原因1 土の量が少ない?
カブトムシの幼虫が土の上で蛹化する原因で一番多いのが、土の量が少なすぎることです。
土の量が少なければ蛹化に充分なスペースを確保できないため、土の上でさなぎになってしまいます。
複数匹の幼虫を同じ飼育ケースで育てている場合や、一匹あたりの土の量が少ない場合に見られやすいです。
カブトムシの幼虫一匹に対して、最低1Lの土のスペースは確保してあげるようにしましょう。
一匹あたりの土の量が少なければ大きな成虫も羽化してきませんよ!
蛹が土の上に出る原因2 霧吹き不足?
カブトムシの飼育には霧吹きでの加水が必須で、それはさなぎの間に過ごす蛹室(ようしつ)と言うお部屋作りにも大きく関係しています。
カブトムシの幼虫はだいたい6月頃に体から出る分泌液を使って周りの土を固めて蛹室を作っていきますが、この時土が乾燥し過ぎていれば上手く蛹室を作ることができず、土の上に出てきて蛹化してしまいます。
適度に霧吹きで水分を加水し、しっかりとした蛹室を作れる土の状態にしておくことも飼育の大事なポイントのひとつです。
蛹が土の上に出る原因3 異物がたくさん混入していない?
飼育マットの土の中に葉っぱやおがくず、ハスクチップ、糞などの土以外の異物がたくさん混入していませんか?
これらの土以外の異物があると、加水不足の場合と同じように幼虫がうまく蛹室を作れず、土の上で蛹化を始めてしまいます。
腐葉土などに入っている小さな葉っぱの欠片などであれば問題ありませんが、隠れ蓑として入れている大きな葉っぱは土に混ざってしまわないように気をつけましょう。
カブトムシのさなぎが土の上に出ているときの対処法は?
続いて、カブトムシの幼虫が土の上でさなぎになってしまった場合の、3つの対処法を見ていきたいと思います。
尚、こちらの対処法を実践する前に、ご自身が飼育しているカブトムシが国産の日本のカブトムシか、それとも世界の海外のカブトムシかを知っておく必要があります。
海外のカブトムシの場合はさなぎの期間を仰向けに過ごしますが、日本のカブトムシはさなぎの期間を立っている状態(縦の状態)で過ごしますので、さなぎの管理する形が異なることを覚えておいてください。
蛹が土の上に出る対処法1 土にたて穴をあける
こちらが最も簡単にできる対処法で、もともと飼育していた土の表面に蛹室の代用スペースを作るというものです。(※こちらの方法は仰向けに過ごす海外のカブトムシにしか使用できません)
やり方は、まずさなぎを別スペースに移動し、飼育ケースの土全体に霧吹きで加水を行います。
次に、さなぎより二回りほど大きいタテ穴を丁寧に掘っていき、その周りを再度霧吹きで加水しながら固めていきます。あとでこのスペースが崩れないよう、しっかりと土を固めてください。
スペースが確保できたらさなぎをその中心に仰向けに移動してあげます。上から土をかける必要はありません。(写真はクワガタですが、カブトムシも同じように置いてあげてください)
後はこのまま孵化するまで待ちましょう。ポイントは、さなぎに対して気持ち大きめのスペースの穴を掘ってあげることです。
穴が小さすぎると脱皮がうまく行えなかったり、角が土の壁に接触して角曲がり担ってしまう可能性も考えられます。
蛹が土の上に出る対処法2 人口蛹室(人工蛹室)を使う
人口蛹室とはさなぎの蛹室を壊したときに使う人工的に作った蛹室のことで、スポンジをくり抜いたようなもので作られています。
値段も安いものだと1,000円ほどで手に入るので、幼虫を飼育している方は念の為持っておいたほうが良いグッズのひとつです。
使い方は至ってシンプルで、人口蛹室の上にさなぎを移動させてあげるだけ。
あとはこのまま羽化するのを待ちましょう。すぐに人口蛹室が必要という人は、園芸用のスポンジをスプーンなどでくり抜いても代用品として使用できます。
人口蛹室を購入する際は、海外カブトムシは仰向け、国内カブトムシは縦でさなぎ期間を過ごすということを忘れずに、横向き・縦向きの製品を間違わないように注意してください。
蛹が土の上に出る対処法3 トイレットペーパーの芯で人口蛹室を自作する
人口蛹室はトイレットペーパーの芯でも代用が可能で、簡単に自分でも自作することが可能です。
まずは、要らなくなった清潔なトイレットペーパーの芯をタテに一箇所カットしましょう。
カブトムシの大きさに合わせて、必要であればもう一箇所カットしサイズを調整します。
後はその中にさなぎを傷付けないように入れて、国産カブトであれば縦置き、海外カブトであれば仰向きに飼育ケースに置いてあげます。
国産カブトの場合(写真はクワガタですが、カブトムシも同じように置いてあげてください)↓
海外カブトの場合(写真はクワガタですが、カブトムシも同じように置いてあげてください)↓
カブトムシのさなぎの育て方 まとめ
カブトムシのさなぎが土の上に出ているからと言って、何も焦る必要はありません。
その後に適切な環境で育ててあげれば、元気な成虫が羽化してくるはずです。
また、子供と一緒に飼育を行っているご家庭であれば、さなぎに興味を持った子供が蛹室を壊してしまう可能性もありますが、こちらで紹介した対処方法はさなぎの蛹室を壊してしまった場合にも使用することができます。
当ブログでは、この他にもカブトムシの飼育に役立つ内容を複数紹介しています。良ければ併せて参考にしてください。
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