「お盆の盆棚を作りたいんだけど必要な物ってなんだったっけ・・・。ナスやほおずきを使った記憶があるんだけど、あれって何の意味があるの?」
8月の行事と言えば、ご先祖様の霊魂をおもてなしするお盆ですよね^^
今の自分がここに居ることをご先祖様に感謝し、今年は張り切って盆棚を作ろうと考えている人も少なくないことでしょう。
今回はそんな人に再確認してもらいたい、盆棚の飾り付けに必要な物8選と、それぞれを使う意味をご紹介していこうかと思います。
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お盆の飾り付けに必要なもの8選!
盆提灯やほおずき、蓮の葉などなど、お盆の飾り付けには色々なものが登場しますよね。
中には、ナスとキュウリで作った謎の動物のような置物があったりと、「コレ何のためにあるの?」と聞きたくなるような物も少なくありません^^;
家族や親戚の子供に聞かれることもきっとあると思いますので、この機会に、必要な物とそれぞれの飾り付けの意味を覚えておくと良いでしょう!
お盆飾り1 ナスとキュウリの置物(精霊馬)
お盆飾りに必須のものと言えば、ナスとキュウリで作った置物ですよね。
皆さんも一度はナスとキュウリに割り箸を刺して作った、動物のような置物を見たことがあると思います。
これを始めて見た時は、「食べ物で遊んじゃダメって言うくせに大人が遊んでるじゃん!」と子供の頃の私は思ったのを覚えています(笑)
ですが、これは決して遊んでいる訳ではなく、きちんとした理由があって動物の形にしていたんですね。
- きゅうりは祖霊をあの世から運んでくる馬
- ナスは祖霊をあの世へ届ける牛
このようにキュウリは「馬」、ナスは「牛」を表し、ご先祖様の霊魂をお運びするためにお供えしているんです。
家に帰ってくる時は馬のように早く、あの世へ帰る時は供物であるお土産を引っさげて、馴染みのある景色を楽しみながらゆっくりと帰ってもらうために、置物を備えています。
そして、この「きゅうりの馬」と「なすの牛」を合わせて、「精霊馬(しょうりゅううま)」と呼びます。
この「精霊馬」は、盆棚に飾り付ける際には適切な向きや処分方法があるので、そのあたりも併せて覚えておくと良いでしょう!
お盆飾り2 ほおずき
お盆の季節になると、スーパーや八百屋さんでもほおずきを見掛けることが多くなってきますよね。
ほおずきを漢字で書くと鬼灯となるのですが、字の中にもある通り、家へ帰る目印の灯りとしてほおずきをお供えすると言われています。
一般的にはほおずきを提灯に見立てて盆棚に飾ることが一般的で、祭壇型の盆棚を作った際には竹(または笹)を繋ぐ縄に吊るし、祖霊に灯りを示す役割として使われます。
また、農作物の収穫が少なかった時代には、赤いほおずきで彩りを鮮やかにすると言う目的も兼ねていたんです!
こうして理由を知ると、鬼灯もお盆飾りに欠かせない大事な供物だと言うことが分かりますね^^
お盆飾り3 まこも
まこもと聞いてもピンと来ない方も多いと思いますが、供物などを置く小机に敷くゴザのようなものが真菰(まこも)です。
まこもは薬用成分を含んだ植物で、お釈迦様がまこもの敷物を使って病人を治療したと言うお話があることから、仏事だけでなく神事にも使われます。
また、病気を治すだけでなく邪気を払う効果もあると言われていますので、盆棚にお供えする供物に悪いものがつかないようにする意味でも、まこもの上に供物を置いたほうが良いでしょう!
お盆飾り4 生花
お盆の飾り付けには生花も欠かせませんよね(*^_^*)
ただお花があると言うだけで、一段と盆棚が生き生きとした鮮やかな空間になりますが、実は生花をお供えする意味もしっかりと存在しています。
その昔、お釈迦様の修行時代にまで遡り、お釈迦様が燃灯仏(ねんとうぶつ)と言う名前の仏様に会った際に、是非供養を差し上げたいと思ったそうです。
しかし、手元には丁度良いものが何もなく、たまたま近くのお花屋さんで売っていた青蓮華(しょうれんげ)と言うお花を買って燃灯仏に捧げたことが始まりだと言われています。
イマイチお話を聞いてもピンとこないと思いますが、要は供養する気持ちを、お花を供物として提供することで表しているんですね!
ただ、バラなどのトゲのある花は適切ではないとされていますので、そのあたりは注意して選んだほうが良いでしょう。
お盆飾り5 水の子
水の子を用意しない家庭も多いかと思いますが、実は水の子も祖霊にとってはとても大切な意味を持った供物となっています。
水の子はナスやきゅうりをサイの目に刻んで、そこに洗った生米、清水を入れて器(地域によっては蓮の葉)に盛り付けるお料理ですが、水分を多分に含んでいることから、あの世で飢え乾いた喉にも通りやすいようにと言う祈りが込められています。
あの世がどのような環境になっているのか私達には分からないものの、少しでも楽をしてもらえるようなおもてなしをすることも大切ですよね。
お盆飾り6 旬の野菜や果物
お盆の飾り棚には、夏に収穫できる旬の野菜や果物も欠かせません!
「百味五果」と言って、新鮮な野菜と果物をご馳走することで、祖霊が喜んでくれると言われています。
「百味五果」の「五果」とは、瓜・ナス・麺・饅・餅の5種類を指していると言われ、「百味」はたくさんの種類の美味しいものを指しています。
ただ、実際にはそれらの「五果」をお供えすることは少なく、その季節に収穫できた新鮮なお野菜や果物をお供えすることが一般的です(^ω^)
ちなみに、「五果」を「五菓」と書くことも珍しくありません。
お盆飾り7 故人の好きだった食べ物
故人が好きだった食べ物をお供えすることも、故人のおもてなしには大切です。
お酒好きだった故人には好んで飲んでいたお酒を入れてあげ、好みの食べ物があった故人には、その食べ物を用意してあげると喜んでくれることでしょう^^
私の実家では、祖母がずっと好きで食べていたお刺身を供物としてお供えすることがお盆の恒例行事になっています。
故人と一緒に食べた思い出の品などがある場合には、そういった物を用意するのも良いでしょう。
自分の好みを今でも覚えてくれていると思うと、祖霊もきっと喜んでくれるはずです!
お盆飾り8 盆提灯
盆提灯は先に紹介した鬼灯と同じ様に、祖霊が迷わず家に帰ってこられるようにする目印の役割があると言われています。
本来は、庭先や玄関で迎え火として焚いた火をそのまま提灯に移し灯りを灯していたと言われ、迎え火と盆提灯はワンセットで考えられていました。
現代は火事などの危険性もあり、盆提灯も電気式が一般的となりましたが、目印としての役割を持っていることに変わりはありません。
⇒お盆の提灯の飾り方と処分方法!飾る期間はいつからいつまで?
お盆飾りはいつからいつまで行うの?
お盆飾りを行う期間は地域の文化や風習によっても異なりますが、一般的には8月13日~8月16日です。(※7月にお盆を迎える地域も有)
- お盆飾りは8月13日~8月16日まで行う!
(7月がお盆の地域は7月13日~7月16日)
これは家の宗派がどこであっても共通した期間となっていますので、この期間中はお盆飾りを行うようにしましょう。(浄土宗・浄土真宗・日蓮宗・臨済宗・曹洞宗・真言宗とも同じ)
お盆飾りの詳細な期間や片付け方法に関しては、こちらを参考にどうぞです↓
お盆の迎え火と送り火も忘れずに!
お盆の飾り付けと併せて覚えておきたいのが、お盆の『迎え火・送り火』です。
「迎え火」は、故人が迷わず家に帰ってこられるようにする目印として使われ、「送り火」はあの世へ祖霊を送り出すために焚かれます。
焙烙と麻柄(おがら)で送り火を行っている風景
これもご先祖様への大事なおもてなしの一つですので、必ず忘れずに行うようにしましょう。
『送り火・迎え火』を行う日付や時間帯、燃やすものについてはこちらで詳しく紹介しています↓
お盆飾りの意味 まとめ
いかがだったでしょうか?お盆の飾り付けに必要なものを覚えていただけましたか?
お盆期間と言えば、旅行や夏祭り、BBQなどなど、楽しいイベントが盛り沢山の期間となりますが、実家に帰省しご先祖様へおもてなしすることも忘れてはいけません。
今の自分があるのはご先祖様のお陰だと言うことをキチンと思い出し、気持ちよく迎えてあげる準備を進めると良いでしょう!
当ブログでは、この他にもお盆期間をより良く過ごすための内容を複数紹介しています!
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